★注意★

まるっきり擬人化です。
更に若干の間接的大人向け表現が含まれております。
当方「自分妄想設定」をご理解頂けない方
又は大人向け表現が苦手な方の閲覧はご遠慮頂いた方が宜しいかと思われます。
基本的に未成年にはお薦めできません。





書いた本人が言うのも何ですが、マイナーにも程があるCPで申し訳無い。
しかしながら、大人向け表現と言ってもご期待に添うモノかどうかはコレまた微妙。


◆願いと嘘◆


いつもの部屋、いつもの朝。いつもの相手がそこに居た。
スモークスクリーンは目覚めのまどろみの中、ベットの中を探るように手を這わせる。隣に空いた場所には微かな温もりしか残っていない。冷めて行くシーツの手触りが、彼のルームメイトが此処を離れて時間が経っている事を物語る。
視線を廻らせれば隣のベットの脇で既に身支度を始めているストリークが居た。彼がシャツに袖を通す瞬間にチラリと見えた首筋の赤い跡。思いの外目立つソレにスモークスクリーンは苦笑いしながら徐に寝返りを打った。
その時、枕と肩に挟まれていた自分の長い髪が引っ張られた。不意打ちのような痛みに思わず声に出してしまう。
「――ってぇ…」
彼の声に気付いたストリークが振り返る。
「どおした?」
「髪が引っ掛かった」
「無駄に伸ばし過ぎなんだよ、鬱陶しいなら切ればいいだろ」
「まだ切る訳には行かないのさ」
「願掛けでもしてるのか?」
「まぁ…そんな所だ」
「ふーん…、ギャンブル好きのお前らしいな」

ストリークは特に感心無さそうに話しながら、身支度を整えて行く。首筋の赤い跡も服の下に隠れもう誰にも気付かれる事は無いだろう。。
その様子を横目に見ながら、スモークスクリーンはすぐ脇の机の上に置いてある煙草に手を伸ばした。手馴れた仕種でその内の一本を口に咥え火を付ける。吸い込んだ煙が胸の中を満し、そしてゆっくりを吐き出してゆく。
「最近吸い過ぎじゃないか?」
「目覚めに一服が美味いんだよ」
「飯を食った後にも同じ様な事を聞いたぞ」
「後は、ヤった後も美味いけどな」
「……お前、最低」
他愛も無い会話。
スモークスクリーンは半身を起こして顔の掛かる髪を掻き揚げながら、天井に上ってゆく煙を視線で追った。

「鬱陶しいと思うか?」
「少なくとも、俺はな」
先ほどの話の続きだろうと、ストリークは率直に答える。今更返答に気を使うような相手ではない。そんな彼の態度を特に気にすることも無くスモークスクリーンは自分の髪を弄りながら言った。
「そういや昨夜も随分引っ張られたな、お前に」
「そうだっけ?」
「髪を引っ張った挙句に他人の名前を呼ぶのは、ベットの中でのマナーとしてはどうかと思うぜ?」
「何っ!?」
「相手がお前じゃなかったら、叩き出してるところさ」
「嘘だ!、そんな事言ってない!」
思いもかけない暴露に、ストリークは本気で否定した。もっとも指摘されても夜の事は殆ど覚えていないと言う事実に反論しようも無いのだが、事が事だけに鵜呑みにするわけにも行かない失態。スモークスクリーンに詰め寄るストリークの表情は動揺と羞恥の色に覆われていた。
「言ったさ、はっきりと誰かさんの名前をな。もっとも、言われたのは昨夜だけじゃないけど」
「嘘…だろ?」
「覚えていないんだろ?、だったら嘘って事にしといてもいいぜ」
そう言って間近に詰め寄るストリークに、スモークスクリーンが向けた表情は明らかに戯笑。まんまと彼の冗談に引っ掛けられたと言う事実を悟ったストリークは、彼の頭を遠慮無しに引っ叩いた。
――べしっ!!――
「いきなり暴力かよ…」
「今度そんなくだらねぇ冗談言いやがったら、その髪をすぐに切り落として遣るからな!」
顔を真っ赤にしながら、動揺と羞恥の色に覆われていたストリークの表情に安堵の色も混ざっていた事を、スモークスクリーンは見逃さなかった。
「さっさと支度しろよ」
ストリークは更に彼の吸っている煙草を取り上げると、灰皿で揉み消してしまう。
「先に行けよ、一緒じゃ気まずいだろ?」
「五月蝿い!」
捨て台詞宜しく、ストリークは先に部屋を出て行った。今日はいつも以上に饒舌な彼の様子が目に浮かぶ。何か有ると口数が増えるストリークの変化を、こうして間近で見ている事しか出来ない。スモークスクリーンの胸中は複雑だった。
「お前に切られるなら、本望かもな」
叩かれた頭を擦りながら、独り言のように言った。
伸びた髪の先を弄びながら、いつかこの髪を切る日が来るだろうと願う。

彼は知らない一方的な『約束』。自分だけが守り続けている『約束』が、必要なくなるその時まで。
願を掛けるには些か長期戦になりそうだと、スモークスクリーンは毛先に出来た枝毛を見つけて苦笑いをした。

<END>
2006.12/4UP


スモスク不憫な彼の大人な関係バージョン…。いい加減この二人で引っ張り過ぎだろうと思われますが、過去のトラウマネタが美味しいうちはせっせと捏造させていただく所存。…あ、引いてますか?。自分の基本は「人生常に茨道」、無駄に開拓魂だけが萌えるそんな今日この頃。

内容に付いては特に触れる事もないかと。スモスクさんが擬人化設定で長髪になったのはこの「願掛け」の為です。ですから、ご子息が現れてストリークが救われた今は、スモスクさんの髪はバッサリ切ってあります。いずれその擬人化絵も出したい、まだ決まってないですが。

ラストの枝毛ネタが事の発端だと言ったら、興醒めにも程がある。
この話はTFお題
28.せんしとリンクしています。
後の妄想やツッコミは読んで頂いた皆様にお任せします。
むしろそっと心の中にそっと仕舞って置いてください…。(脱兎の如く逃げ)

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