◆秘密の二人◆


ある日のオートボット基地。
ニヨニヨと見る人が見たら不信感極まりない笑顔、ジャズはアイアンハイドに近づいた。


「よお!アイアンハイド。今日もツイてるかいv?」
「うおっ!?、急に飛び掛るな!倒れるじゃないか」
「ガタイの割りに足腰弱いなぁv、そんなんだからスグに押し倒されるんだぞ(ニヤリ)」
「おまっ!?、見ていたのか…」
「ん〜?、何の事かな?(ニヨニヨv)」
カマを掛けられたと気付いてもあとの祭り。
ジャズは更に笑顔で詰め寄った。
「…何が望みだ…?」
「話の分かる奴は大好きだよv」


そして、イイようにジャズに遊ばれたアイアンハイドだった。

その事で愚痴を零すアイアンハイドに、ラチェットはいたって平然としている。
何かあるとここに逃げ込んでくる、、それが誤解の要因であることに本人は気付いていない。
しかし、ラチェットは敢えて知らせないでおく。
その方が面白いから、とは、それもまた本人には知らせない本心。

自分のテリトリー、リペアルームに乗り込んできて何を言い出すのかと思ったらそんな事。と、ラチェットはいつもの様にアイアンンハイドを宥める。
「何を不貞腐れているんだ?」
「誰のせいだと思っている」
「ジャズにカラカワれたたくらいで、気にするな」
「気にするだろ!」
「別に恥る事をした訳でもない、私は気にしないが」
「少 し は 気 に し ろ よ っ」
しれっと言い切るラチェットに、憤慨するアイアンハイド。
それでもラチェットのスルースキルに敵うはずもなく、アイアンハイドの苛立ちは治まる気配が無い。
「お前の『ガタイの割りに安定性において足腰が激弱』なのは、ボディ構造上のデフォルトだと思って諦めろ」
「だからお前に、何とか強化しろって頼んだ…のにだ!。ジャズの奴変な誤解してるぞ!絶対良からぬ妄想してるぞ!。お前からも説明して誤解を解いて来い!]
黒いボディを真っ赤に熱する勢いで、鼻から熱気を排気するアイアンハイド。
やれやれと肩をすくめ、駄々をこねる子供を宥めるように、ラチェットは彼の頭を撫でる。
「よしよし。分かった分かった」
「撫でるなっ!」
「誤解じゃなくなればいいんだな。それなら、その『良からぬ妄想』とやらの方を事実にしてやれば、それは誤解じゃなくなる。そう思わないか?(キランv)」
「?!?(真っ青)」
アイアンハイドの熱が一瞬でどん底に冷え切った。

「おい、ラチェット…」
「そお言えばご無沙汰だったな。構って欲しいなら欲しいで素直に甘えてくれればいいものを」。
「違う!断じて違う!。言ってるそばらか押すな!倒すな!」


アイアンハイドの貞操や如何に。

リペアルームから響く悲鳴に、またもや誤解が深まるのであった。



「よお!ビー。後でアイアンハイドのところに行ってみろよ」
『また何かしたの?ジャズ』
「足腰弱いアイアンハイドなら、ビーでも勝てぜってな」

アイアンハイドの受難はまだまだ続くようであった。


<おわり>



ネタ写真に更にネタSSを付け加えて、アイラチェ風味に。
この後アイさんが何をされたのか、皆さんのご想像にお任せします。

アイラチェなのかラチェアイなのか。

どっちにしても指導権はラチェさん持ちなのが映画の二人の関係。