季節は梅雨。雨の降る日が続いています。
そんな時はその季節だからこそ出来る、自然の楽しみ方があります。

ハウンドは雨の中を傘をさして、オーバードライブを外に連れ出しました。

連れて行った先には、沢山の花が咲いています。紫、青、ピンクと色とりどりです。
その花は雨の中でとても活き活きしているように見えました。

「…綺麗だな」
オーバードライブは素直に感動しました。それだけ雨の中で栄える花でした。
「その花の名前は紫陽花って言うんだ。今の季節を代表する花だよ」
ハウンドは花に見入るオーバードライブに丁寧に説明しました。
「この花は、生息してる土壌環境を花の色で教えてくれるんだ」
「花の色で?。…そう言えば色が統一されていないな」
「その土壌が酸性だと青,アルカリ性だと赤になるんだよ」
「すると…この花の周辺は酸性が強いと言う事か」
「そうだね、青から紺に近い花が多いから」
オーバードライブは感心したように、小さな花弁の寄り集まっている紫陽花を観察しました。
そんな彼のを見て、ハウンドは嬉しそうに見守っています。
こうやって少しでも自然に触れて好きになってくれればいいなと、思ってるのでした。

二人はふと、紫陽花の葉が動いた事に気付いてそこに視線を向けると…。

そこには渦巻状の殻を背負った、なんとも生々しい虫が這っていました。
「?!?」

オーバードライブはその得体の知れない生物に驚き、とっさにハウンドにしがみ付いてしまいました。 「出たっ?!」
「ああ、これはカタツムリだよ。紫陽花の葉には良く付いているんだ。大丈夫、飛んだり噛み付いたりしないから」
「そお言う以前の問題だと、何度も言っているだろう…」
むっくりむっくりと這ってくるカタツムリに、オーバードライブは益々ハウンドにしがみ付いていました。
ハウンドはそんな彼に苦笑いをしながら、しっかり抱き止めています。
それが少し嬉しいハンドなのでした。

「ハウンド」
「何だい?」
しがみ付いたまま、オーバードライブが声を抑えて言いました。
「この虫が、この花に良く付いている物だと、君は知っていたな?」
「まぁね…」
途端にオーバードライブは大声を出してハウンドを睨みつけました。
「知っていて此処に連れて来たな!、やはり確信犯だな君は!!」
「偶然だって!深読みしすぎだよオーバードライブ」
すっかりご機嫌斜めになったオーバードライブは、ハウンドから離れて一人で帰ろうとしました。
「そう怒らなくたって、綺麗な花が見れたんだからさ」
「五月蝿い!」
ハウンドは直ぐに駆け寄って彼の隣に並ぶと、これからご機嫌な斜めの想い人を宥める方法を考えながら、持っていた傘の中に彼を引き入れました。

二人は一つの傘をさして歩いて行きました。



★雨の日デート★

梅雨と言えば紫陽花。

紫陽花と言えばカタツムリ。

カタツムリと言えば、へんないきもの…。

…オバドラさん、出番です。

どんな連想ですか自分。
そんな訳でハウンド×オバドラですv。

…またも、へんないきものネタで御座います。オバドラさんオイシイなぁその設定(自分だけです)。
そしてハウンドさんがかなりの勢いで確信犯と化しています。誠実そうな彼もなかなかヤるなぁ…。


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