ラチェット



「たとえ何万人の命を救おうとも、救えなかったひとつの命を、決して忘れない…」

この両手に、どれだけの血を染み込ませただろうか。

今日も、一つの命が、この手から零れ落ちた。

紅く塗れた手を見つめた時、口の中に血の味が広がった。

それは、命の味。

救えなかった、遺恨の味。



ストリーク


初めて、武器を手にした時

全部、分かったんだ。

何故…だろうな。

銃の扱い方も、照準の合わせ方も

標的の何処を狙えば、確実に致命傷を与えられるか。

俺は、全部、分かったんだ。

生まれた時から、『記憶』の中に有った

『 コ ロ シ ア ウ タ メ ノ 、 チ カ ラ 』

だから俺は、引き金を引いた。

こんなにも簡単に、『敵』を、殺す事が出来た。

そして、俺は生き残った。

これから、もっと沢山の命を、殺す為に。

だから---

生きる事が、怖くなっても

死ぬ事が、怖くなっても

俺は、哀しくは、なかった。



プロール&マイスター


例えば、宙-ソラ-の彼方で

貴方が生きていると言うのなら

私は、星になって

漆黒の闇に、身を凍えさせながら

貴方の辿り行ける場所になる為に

永遠を待ち続けても良い


暗黒-深く-へ堕ちるほどに

貴方に近づくのなら

影にさえなれない

無-ゼロ-になっても良い


例えば

貴方が

生きていると言うのなら



プロール&マイスター


魂の辿り着く場所で

もう一度会おう

迷いも

不安も

しがらみも無い

魂の安らぐ場所で

もう一度

二人は

『随分と待たせてしまったね』
『俺は平気だ、気にするな』
『もっと早く来ようとしたけど、上手く行かなくてね』
『俺の方こそ、先に来てしまって…すまなかった』
『もう…いいんだ、これからはずっと一緒だ』
『そう言えば、ずっと言いそびれていた事があったな』
『何だい?』
『俺は、君を愛している』
『…その言葉…向こうに居る時に聞きたかったよ』
『これからは何度でも言える』
『今まで待たせてしまった分も、私からも言わせて貰うよ』

--- ア イ シ テ イ ル ---

魂の還る場所で

二人の

愛を


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